絶対におすすめできる!一生使える革小物の選び方基準とおすすめ製品

一生モノってとても魅力的じゃないですか?

モノを長く使っている間に傷や癖がつくと、新品だった製品がどんどん自分のモノになっていく感じがしますよね。

特に革製品はエイジングといって、長く使い込むことによって見た目の色合いや触り心地がどんどん変化していくので、世界で一つだけの自分オリジナルのモノができ上がります。しかも革製品は定期的にメンテナンスをすればとても長く使い続けることができます。

今回は私が愛して止まないレザーについて、一生使える革小物とは何か?どんな革小物であれば一生使えるのか?基準は何か?ということを、沢山の革小物を見たり調べたりした結果から考察したので皆さんにお伝えしたいと思います。

ただし!その前に2つお伝えしたいことがあります。

【①一生使えるモノって何か】

私が思うに、どんなモノでもいずれは朽ちていきます。一生使えるというのは30歳の時から使い始めて70歳くらいまで使えるは使えるだろうという発想です。

定量的に何年使えるかというのをあまり検証している例がないので、今後やっていこうと思いますが、いずれにしても長く使えると考えられる革小物の選び方をご紹介します。

【②レザーの基礎は他のサイトを見てください】

魅力を伝えるといっても、レザーの基礎からお伝えするわけではありません!
レザーの基礎知識は、Time & Effortさんのホームページ等で完璧にまとめられているのでそちらをご参照ください。

この記事は、レザーの基礎知識をしっかりおさえている人向けに、私がこれまで見て聞いて考えた結果導き出した“一生使える革小物の選び方の基準”をお伝えいたします!

基準は、大きく分けると以下の3点です。

その一 丈夫であること
その二 コバ面の処理方法
番外編 ヌメ革の有無

では、それぞれについて解説いたします!

その一 丈夫であること

財布でもキーケースでも名刺入れでも、長く使っていると、折り曲げられたり、落としたり、水に濡れたりするものです。

ガラスケースの中に入れて飾っておくわけではないので、ある程度雑に扱うれることを前提に選ぶ必要があり、この観点で見ると、選ばれる革素材がかなり絞られます。

具体的には、オイルレザー(仔牛は除く)コードバン(馬の臀部)をおすすめいたします。

革に詳しい方はこれを聞くと、オーストリッチ(ダチョウ皮)やクロコダイル(ワニ)もあるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、これらの革は、見た目がとても特徴的なのでずっと持つには飽きてしまうと考えています。あとちょっと気持ち悪いかな。。。

オイルレザーについてさらに言うと、タンニンなめしで、かつ蝋引きで強度をさらに高めたブライドルレザーをおすすめいたします。

他の方も取り上げられていますが、ここでようやく、コードバンvsブライドルレザーという構図が出来上がります。

この対決は非常に甲乙付け難く、私も当時悩みに悩みました。。。私が頭の中で整理したコードバンvsブライドルレザーの勝敗表は以下の通りです。

コードバン ブライドルレザー
強度
美しさ
耐水性 ×
経年変化(エイジング)
値段 かなり高い 高い

値段については、一生使うことを目標にしているので今は無視しますが、コードバンは強度と美しさでブライドルレザーの上をいきます。一方、ブライドルレザーは耐水性でコードバンに優ります

これだけをみればコードバンの勝ちになります。実際にここまで情報から、コードバンを選択する方も多いかと思います。コードバンは”革の宝石”と言われているくらい希少性が高く、持っているだけで満足感があります。

しかし!今回のコンセプトである”一生使える”という部分に着目すると、この耐水性というところについてもう少し詳しく見ていく必要があります。

コードバンがなぜ水に弱いのかというと、コードバンの独特の光沢を作るために、表面の繊維を無理やり同じ方向に寝かしています。水に濡れるとこの表面の繊維が浮き上がってしまい、光沢がなくなったり、場合によってはシミのようなものになるようです。こちらのブログにあるように、再度繊維を寝かしてあげればある程度は元に戻るようですが、一生使うのものなので、私はあまり気を使いたくないと思いました。

一方、ブライドルレザーは、雨が多いイギリスの気候や馬の汗・唾液で革の耐性が弱くなるのを防ぐために、何度も蝋を塗り込むことで繊維を引き締めた「ロウ引き加工された革」のことを指します。繊維が引き締められるため、通常のオイルレザーと比較すると少しだけ水に強くなります。

日常生活において、水に触れない日はないかと思います。雨や人間の汗、机の上に置いていて飲み物をこぼす可能性もあります。一生使うとすると、このリスクを考慮しなければなりません。

さらに、革小物を使うのであればエイジングを楽しみたいですよね。エイジングしていくと、なんとなく自分のモノになっていく感じがして、モノに対する愛着がどんどん湧いてくる気がします。一生使う意味において、もしかしたら一番重要なポイントかもしれません。

コードバンとオイルレザーであれば、エイジングのしやすさという観点においてもオイルレザーに軍配が上がります。コードバンがエイジングがし易いと書いている方もいますが、基本的にコードバンの仕組みから考察すると、繊維の方向が揃えば揃うほど光沢が増すと考えられるので基本的には購入直後が一番綺麗ということなります。

ということで、一生使うという観点から、革の素材はブライドルレザーに軍配が上がりました。

つぎに、コバ面の処理方法についてです。

その二 コバ面の処理方法

コバ面とは、革の裁断面のことです。詳しくはこちらのサイト等をご参照ください。

コバ面をそのままにしておくと、そこから綻びが生じてしまったり、手を切ったりして危ないので、通常は、革を長持ちさせるための処理が施されます。

コバ面を処理する方法は大きく分けると、①へり返し②コバ面磨き(and 蜜蝋処理)の2つに分かれると思います。細かく言うとも少しあるかもしれませんが、見た目と機能が大きく変わる方法はこの2になると考えられます。

以下にそれぞれの手法について考察する前に申し上げておくと、どちらの技術が優れているとか劣っているかという話ではありません。あくまで、”一生使える”という観点でそれぞれの特徴を解説していきます。

【① へり返しについて】

へり返しとは、上の写真のように、外側の革を内側の革に覆いかぶせて接着させる方法のことです。切断面が隠れるので、全体的にすっきりとした印象になります。覆いかぶせていくと、革の角の部分に皺が寄ってくるので、この部分をいかに綺麗に見せるかが職人のノウハウになています。

この手法は、見た目がすっきりするだけではなく、薄い革のコバ面を強化することに繋がります。薄い革では、②コバ面磨き(and 蜜蝋処理)がやりにくくなります。

【② コバ面磨き(and 蜜蝋処理)】

上の写真のように、複数の革の切断面を揃えて接着剤で接着し、磨いたり熱したりしてあたかも一枚の革だったかのように処理をする手法です。モノによっては、磨いた後に蝋蜜で処理してツルツルな見た目にしているものもあります。

①の手法と比較して、この手法の良いところは少々傷がついても磨きなおせばほとんど元通りになるということです。①の手法は、覆いかぶせた革が破れてしまうとほぼ修理不可能ですが、こちらの手法は修理可能です。

また、蝋蜜を使用していない上のような写真のタイプであれば、少し傷がついても気になりませんし、むしろ傷に愛着が湧いてきます。一方蝋蜜を使っているタイプは、蝋蜜がとれると少し見た目がみすぼらしくなります

つまり、ここまでの話をまとめると、一生使えるという観点で考えると、”コバ磨き(蝋蜜なし)”で処理されたコバ面の革小物を選ぶのが良いと考えられます。

もう一つ考慮しておきたいポイントは、買ったお店のアフターフォローがあるかどうかです。さすがに無料でやってくれるメーカーはありませんが、縫い目がほどけたり、革が破れてしまったりした時に、メーカーが修理を請け負ってくれると安心です。”一生使える”というのを実現するために最も重要な要素かもしれません。

しっかりとしたメーカーであればアフターフォローがあるので、そのあたりも見ておく必要があります。

番外編 ヌメ革の有無

番外編とした理由は、絶対必要というわけではなく、あったほうがより革小物に愛着が湧きやすいという話であるためです。

ヌメ革というのは、タンニンなめしされた革で、かつ染色や加工等の処理が施されていない革のことを指します。例えば以下の写真のようなものです。

初めは肌色っぽい色をしているのですが、使えば使うほど色が濃くなり、最終的には美しい飴色(光沢感のある茶色)になります。これをエイジングと呼びます。例えばこちらのサイトをご覧ください。

ただ問題は、人によっては「ただの日焼けじゃないの?」とか「なんか汚くない?」と思う方もいるので、革好きの間だとエイジングを理解し合えるのですが、ビジネスとかブランド好きの人の前で出すのは少し恥ずかしい場合があります。

そこで私のお勧めは、革小物の外側がブライドルレザー、内側がヌメ革の製品です。外側は高級感のブライドルレザーなのでどこに出しても恥ずかしくはありませんし、普段人目につかない内側のヌメ革の経年変化も楽しめるので、まさに一石二鳥です!

こんな都合の良い製品ってあるの?と思われるかもしれませんが、結構沢山あります!メーカー側も顧客のニーズをよくわかっていますね。

では次に、ここまでの話を全て踏まえたおすすめの製品をご紹介していこうと思います。

最もおすすめできる革小物

私が最もおすすめする革小物メーカーは、”GANZO”です!

GANZOの公式HPよりロゴをお借りしてきました!

GANZOの商品の中でも、今回の基準に全て合致する”シンブライドル”のシリーズが最もおすすめです。

以下の写真は実際に私が購入した、シンブライドルのファスナー付き財布です。

外側がブライドルレザー、内側に”ミネルバ・ボックス”と呼ばれるイタリア産のヌメ革が使用されている。どちらも見ていて惚れ惚れするほど美しいです。縫い目もとても綺麗で、職人さんの丁寧な仕事ぶりがうかがえます。

番外編で述べたように、内側のヌメ革はエイジングしやすい素材で、以下に、購入したてのヌメ革(上の写真)と購入から1年経過したヌメ革(下の写真)を比較するとたった一年で色が変わっていることがわかります。

(購入した直後)


(購入から1年経過)

さらに、私がこれを特におすすめする理由は、コバ面の美しさにあります。以下の写真をご覧いただければと思いますが、複数の革がの重なりの見た目を少し残しつつ、少し赤っぽい色の塗料が塗られています。

非常に丁寧に磨き上げられているため繊維がきゅっと締まってして、とても傷に強いです。1年使い続けていますが、傷がほとんど気になりません。むしろ傷がなじんでいく感じがします。

GANZOは他にも、”ブライドルカジュアル”シリーズや、”シェルコードバン”シリーズがありますが、どれも素晴らしいと思います。

他のおすすめ革小物

万双

万双(まんそう)の革製品も非常に質の良い革が使われている上、コバ面の処理もGANZOと同様にとてもこだわりを感じます。

こちらは万双のHPですが、とても丁寧な仕事をされていることがわかります。

Ponte

岡山でオリジナル革製品を販売されているお店です。ご夫婦で経営されているお店で、オーダーメイドをお願いすることもできるようです。

お店のHPをご覧いただければと思いますが、とてもこだわりをもって革製品を作成されているのがわかります。とても雰囲気の良さそうなお店です。

中国地方に行く機会があれば一度立ち寄ってみたいと思います。

mic

東京の上野と御徒町を中心に店舗を構える老舗の革製品メーカーです。

オイルレザーを中心に様々なタイプの財布を製造されていて、私も昔、薄型のL字財布を購入させていただきました。

革工房ボルサ

東京の上野の2k540という通りにあるお店です。

お店のHPにも書いているように、初めは少し入りにくいお店なのですが、実際に入ってみるとやさしい女性(おそらく職人さん)が感じよく応対してくださいました。

ちなみに、このお店の店長さんはうさぎのようです。気になる方はぜひ一度訪問されてみてください。

ココマイスター

非常に有名な革製品メーカーです。実際に銀座にある店舗に行ってみましたが、とても高級感のある店舗で、多くの人が革小物を吟味していました。

ココマイスターのシェルコードバンシリーズはとても人気で、オンラインストアで見るといつも売り切れ状態です。

実際に触ってみて、とても良い革を使っていると思いましたが、コバ面の処理に蜜蝋のようなものを使っているのが少し気になり購入を見送りました。

Mens Leather Store

Mens Leather Storeは、様々な種類の日本製のレザー製品のセレクトショップです。こちらのページから製品のラインナップをご確認頂けるのですが、かなりハイセンスな製品を扱っています。

実店舗はありませんので、実際に触ることはできないので少し不安な部分はありますが、色んな方の評判を聞いていると購入者の満足度は高いようです。

まとめ

一生使える革製品とは何か?ということについて色々と考察してきました。

ここまで見ていただいた方におすすめしたいことは、今回私がお伝えした基準を念頭に置きながら、色んな革製品を実際に見て触っていただきたいと思っています。

見たり触ったりしているうちに、自分オリジナルのこだわりが出てきて、もっと革のことが好きになるのではないかと思います。

以上、ご参考になりましたら幸いです!

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